オフィス用品通販のアスクル(ASKUL)で発生したサイバー攻撃について、「個人情報は本当に漏えいしたの?」「LOHACOの利用者も対象?」「現在は安全に注文できる?」と心配している人もいるのではないでしょうか。
アスクル株式会社は2025年10月19日、ランサムウェア攻撃によるシステム障害が発生したことを公表しました。その後の調査で、顧客や取引先などの個人情報が外部に流出したことも確認されています。
さらに2026年7月30日には、追加で約60万件の個人情報について、外部への漏えいのおそれを否定できないと発表しました。
ただし、すでに流出が確認された約74万件と、追加で漏えいのおそれが判明した約60万件は、同じ意味ではありません。
この記事では、アスクルの公式発表をもとに、サイバー攻撃の経緯、個人情報漏えいの対象、ASKUL・LOHACOの復旧状況、利用者が確認したい安全対策を解説します。
※本記事は2026年10月22日時点で確認できた公表情報をもとに作成しています。最新の状況はアスクル公式サイトをご確認ください。
アスクルのサイバー攻撃・個人情報漏えいは本当?
結論からいうと、アスクルへのランサムウェア攻撃と、一部の個人情報の外部流出は事実です。
アスクルは2025年10月19日に不正アクセスによるランサムウェア感染を確認し、システムの停止やネットワークの遮断などの対応を行いました。
この影響により、法人向けのASKULやソロエルアリーナ、個人向けのLOHACOなどで受注・出荷業務に支障が生じました。
その後、攻撃者による情報公開も確認され、アスクルは個人情報の流出を公表しています。
ランサムウェアとは?
ランサムウェアは、パソコンやサーバー内のデータを暗号化するなどして、システムを利用できなくする不正プログラムです。
近年はデータを暗号化するだけでなく、盗み出した情報を公開すると脅す攻撃も問題になっています。
アスクルの事例でも、システム障害と情報流出の両方が確認されました。
アスクルの個人情報漏えいは約134万件?数字の違いを解説
今回の問題では、約74万件と約60万件という2つの数字が報道されています。
これらは情報の確認状況が異なるため、区別して理解する必要があります。
2025年12月に約74万件の情報流出を確認
アスクルが2025年12月12日に公表した調査結果では、次の情報の流出が確認されました。
| 対象 | 流出が確認された件数 |
|---|---|
| 事業所向けサービスの顧客情報の一部 | 約59万件 |
| 個人向けサービスの顧客情報の一部 | 約13万2,000件 |
| 取引先に関する情報の一部 | 約1万5,000件 |
| 役員・社員等に関する情報の一部 | 約2,700件 |
これらの公表値を合計すると約73万9,700件となり、一般的には「約74万件の流出」と報じられています。
なお、件数は個人情報の記録数を示すものであり、必ずしも同じ人数の被害者がいることを意味するものではありません。
2026年7月に約60万件の漏えいリスクを追加で特定
2026年7月30日、アスクルは継続調査の結果、約60万件の個人情報について新たに漏えいのおそれを否定できないと発表しました。
追加分の内訳は、事業所向けサービスに関する情報が約55万件、個人向けサービスに関する情報が約5万件です。
対象には、2025年7月15日から10月19日までに発送された注文に関連する情報が含まれます。ただし、この期間のすべての注文が対象というわけではありません。
追加で特定された情報には、次の項目が含まれます。
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
重要なのは、追加の約60万件については、発表時点で実際の外部流出や不正利用が確認されていないことです。
また、2026年7月に新たなサイバー攻撃が発生したという意味でもありません。2025年の攻撃について調査を続けた結果、対象範囲が追加されたものです。
約134万件すべてが漏えいしたわけではない
約74万件と約60万件を足すと約134万件になります。
しかし、これは「流出確認済みの情報」と「漏えいのおそれがある追加情報」を合わせた概数です。
したがって、「約134万件の個人情報が流出した」と断定するのは正確ではありません。
記事やニュースを読む際は、確認済みの流出なのか、漏えいの可能性がある段階なのかを確かめましょう。
LOHACO(ロハコ)の利用者も個人情報漏えいの対象?
アスクルは法人向け通販だけでなく、個人向け通販のLOHACOも運営しています。
2025年12月の調査では、個人向けサービスに関する顧客情報の一部、約13万2,000件の流出が確認されました。
さらに2026年7月には、個人向けサービスに関する情報約5万件が、漏えいのおそれのある追加対象として特定されています。
そのため、LOHACOの利用者も今回の問題と無関係とはいえません。
ただし、LOHACOを利用したことがある人全員の個人情報が漏えいしたわけではありません。
アスクルは対象者への個別通知を進めています。心配な場合は、公式のお知らせや登録メールアドレス宛ての案内を確認してください。
クレジットカード情報は流出した?
アスクルの公式説明によると、LOHACOでは顧客のクレジットカード情報をアスクル側で受け取らない仕組みを採用しており、個人利用者のクレジットカード情報を保有していません。
また、2026年7月に追加特定された約60万件の対象情報にも、クレジットカード情報は含まれていないと説明されています。
ただし、これは今回公表された情報の範囲に関する説明です。カード利用明細を定期的に確認する習慣は、引き続き大切です。
アスクルのサイバー攻撃はなぜ起きた?発生からの経緯
アスクルの公表情報をもとに、主な経緯を時系列で整理しました。
| 日付 | 主な出来事 |
|---|---|
| 2025年10月19日 | ランサムウェア攻撃を検知。ネットワーク遮断とサービス停止などを実施 |
| 2025年10月22日 | 外部クラウドサービスへの不正アクセスが発生 |
| 2025年10月23日 | 主要な外部クラウドサービスのパスワード変更を完了 |
| 2025年10月31日 | 攻撃者による初回の情報公開を確認 |
| 2025年11月12日 | 一部サービスでWeb注文を再開 |
| 2025年12月12日 | 約74万件の個人情報流出を公表 |
| 2026年2月4日 | 全物流センターで新物流システムによる出荷再開が完了 |
| 2026年2月13日 | 当日配送サービスを順次再開 |
| 2026年7月30日 | 約60万件の漏えいのおそれを追加で公表 |
アスクルは攻撃を検知した後、ネットワーク遮断、認証情報の変更、多要素認証の導入などを進めました。
2026年8月に更新された公式セキュリティページでは、2025年10月23日以降、新たな侵入は確認されていないと説明しています。
ただし、これは公表時点での調査・監視状況に関する説明であり、将来の安全を無条件に保証するものではありません。
ASKUL・LOHACOの注文停止と復旧状況は?
今回のランサムウェア攻撃では、情報漏えいだけでなく、通販サービスや物流にも大きな影響が出ました。
注文・出荷業務が一時停止
2025年10月19日の障害により、アスクルはWebからの新規注文受付を停止しました。
物流センターの出荷業務にも支障が生じ、商品の配送や注文処理に影響が広がりました。
アスクルは法人向け通販として企業や事業所で広く利用されているため、事務用品や日用品などの調達にも影響が生じました。
2025年11月から段階的に注文を再開
アスクルはシステムの安全性を確認しながら、2025年11月12日から一部サービスのWeb注文を再開しました。
その後、注文可能な商品や出荷拠点を段階的に増やし、復旧を進めています。
2026年2月には当日配送を順次再開
2026年2月13日の発表では、全物流センターで新物流システムによる出荷再開が完了し、一般品から当日配送サービスを順次再開したことが明らかになりました。
アスクルは、品ぞろえを含む主要なECサービス機能について、障害発生前の水準まで復旧したと説明しています。
ただし、当日配送の対象地域や商品には条件があり、一部サービスには復旧途上のものもありました。
現在の注文・配送条件は、利用するサービスの公式サイトで確認することをおすすめします。
アスクルの個人情報漏えいで注意したい5つの安全対策
個人情報が流出した場合や、漏えいのおそれがある場合は、なりすましメールやフィッシング詐欺への警戒が重要です。
① アスクルからの公式通知を確認する
アスクルは対象者への個別通知を実施しています。
登録メールアドレスに届く案内を確認する際は、差出人名だけで本物と判断しないようにしましょう。
不審な点がある場合は、メール内のリンクを使わず、ブラウザからアスクルの公式サイトを開いて確認してください。
② 不審なメールやSMSのリンクを開かない
氏名やメールアドレスなどが悪用されると、実在する企業を装った連絡が届く可能性があります。
「情報漏えいの補償金を受け取れる」「本人確認が必要」などの案内が届いても、すぐにリンクを開かないようにしてください。
こうした文面は詐欺の例であり、アスクルが実際にその内容のメールを送っているという意味ではありません。
③ パスワードの使い回しを避ける
今回の公表情報だけで、すべての利用者のパスワードが流出したと判断することはできません。
それでも、複数のサービスで同じパスワードを使用している場合は、使い回しをやめることが大切です。
パスワードの流出が心配な人は、次の記事も参考にしてください。
パスワードが流出したか確認する方法!使い回しの危険性と変更手順
④ 自分のメールアドレスの流出状況を確認する
メールアドレスが過去の別の情報漏えいに含まれていないか、確認できるサービスもあります。
ただし、チェック結果に表示されないからといって、今回のアスクルの被害対象外だと証明できるわけではありません。
確認方法や注意点は、次の記事で紹介しています。
自分のメールアドレスが流出しているか調べる方法!無料チェックサイト3選と対処法
⑤ 不審な請求や連絡があれば公式窓口に相談する
アスクルを装った不審な連絡が届いた場合は、記載された連絡先をそのまま信用せず、公式窓口を確認してください。
2026年7月30日の公式案内に記載された個人情報専用窓口は次のとおりです。
- 電話番号:0120-023-219
- 050で始まるIP電話から:03-6731-7879(通話料負担あり)
- 受付時間:平日9時~17時
※受付条件や電話番号は変更される可能性があります。連絡前にアスクル公式サイトで最新情報をご確認ください。
万が一、個人情報が悪用された疑いがある場合は、次の記事も参考になります。
アスクルはどのような再発防止策を実施している?
アスクルは今回の攻撃を受け、セキュリティ対策や監視体制の強化を進めています。
公式のセキュリティ情報では、次のような取り組みが説明されています。
- 不正アクセスを受けたネットワークの遮断
- 認証情報やパスワードのリセット・変更
- 管理アカウントへの多要素認証(MFA)の適用
- EDRなどを活用した端末の監視・検知体制の強化
- システムやネットワークの安全性確認
- セキュリティ監視体制の継続的な高度化
これらの対策には、すでに実施されたものと、継続的に強化している取り組みが含まれます。
企業が対策を公表していることは重要ですが、利用者側でも不審なメールへの注意やパスワード管理を続けることが大切です。
アスクルのサイバー攻撃・個人情報漏えいに関するよくある質問
Q. アスクルの個人情報漏えいは本当ですか?
はい。2025年12月12日時点で、顧客や取引先、社員等に関する約74万件の情報流出が確認されています。
Q. 約134万件すべてが流出したのですか?
いいえ。約134万件は、流出が確認された約74万件と、追加で漏えいのおそれが特定された約60万件を合わせた概数です。追加分については、2026年7月30日の発表時点で実際の流出や不正利用は確認されていません。
Q. LOHACOを使ったことがあれば対象になりますか?
LOHACOを含む個人向けサービスの顧客情報も対象に含まれています。ただし、利用者全員が対象というわけではありません。個別通知や公式案内をご確認ください。
Q. クレジットカード情報は漏えいしましたか?
アスクルは、LOHACOの個人利用者のクレジットカード情報を保有していない仕組みだと説明しています。また、2026年7月に追加された対象情報にクレジットカード情報は含まれていないとされています。
Q. アスクルの注文や配送は復旧しましたか?
2026年2月13日には、主要なECサービス機能が障害前の水準まで復旧し、当日配送も順次再開したと発表されています。最新の対応商品や配送条件は公式サイトで確認してください。
Q. アスクルから通知が来ていなければ安全ですか?
通知が届いていないことだけで、必ず対象外と断定することはできません。登録情報や通知状況に不安がある場合は、アスクルの公式窓口で確認しましょう。
まとめ|アスクルの情報漏えいは確認済み、追加60万件は漏えいのおそれ
アスクルのサイバー攻撃について、重要なポイントを整理します。
- 2025年10月19日にランサムウェア攻撃が発生した
- 2025年12月には約74万件の個人情報流出が確認された
- 2026年7月には約60万件の漏えいのおそれが追加で判明した
- 追加60万件について、発表時点で実際の流出や不正利用は確認されていない
- LOHACOを含む個人向けサービスの情報も対象に含まれる
- ASKULの主要なEC機能は2026年2月までに大きく復旧した
今回の問題では、約134万件という数字だけを見ると、すべての個人情報が外部に流出したように受け取られる可能性があります。
しかし、実際には流出確認済みの情報と、漏えいのおそれがある情報を区別することが重要です。
アスクルやLOHACOの利用経験がある人は、公式通知を確認するとともに、なりすましメールや不審なSMSに注意しましょう。

